ハリガネロックは幸せだったのか
ハリガネロックというお笑い芸人をどれぐらい知っているのでしょうか。
おそらく二十代後半以上の人は小さい頃なんとなく覚えがある感じではあるのでしょうか。
ユウキロックさんが世の中に対して怒る、大上さんがそれに対してたしなめるようにつっこむ。
いわゆるぼやき漫才に入ると言われている漫才スタイルだった気がきます。
ただ僕の中では面白いというより、怖いという印象でした。というのも何か余裕がないというか、切羽詰まっている印象でした(尖っている印象に近いのかもしれません)。
だからなのか、当時の僕にはハリガネロックは好きになれなかったんです。
ハリガネロックは異質な怖い人。多分、僕のような人間に対して狙ってた漫才ではないので、そういう風に思えなかった理由なんだと思います。
仲よさそうな漫才ではなくケンカをしてるような漫才。ハリガネロックはそれが顕著だったように思います。
2014年にハリガネロックは解散しました。その時に自分は「解散するのか。うーん、迷ってたのかな」でした。
というのも最近のハリガネロックは尖った漫才ではなく、どんどん柔和な漫才をしていました。
ただ、その漫才をいいのか悪いのかと言われると何か複雑な気持ちになりました。
結局のところあの漫才が好きだったんだ、と気づいたのは解散した時でした。
よくよく思い出すと怖いながらも漫才はめちゃくちゃ笑っておりました。異質な恐怖。だけど漫才は面白い。結局のところ小さい頃、僕は漫才師ハリガネロックのファンだったんだ、と思いました。
現在ユウキロックさんはお笑いの講師として。大上さんは、地元奈良のアイドルのイベントの司会を務めております。
幸せとは結局のところ本人の中で感じるものだと思います。少なくとも僕が判断したらだめだと思います。
ただ少なくともハリガネロックとしての輝きは絶対に消えないと思います。そして、その漫才を好きな人がいたことはお二人にとって幸せだったのでは…、なんて感じます。